2011年1月19日水曜日

VSEO 動画検索エンジンへの最適化(後編)―DAO(Part.2)

第2回目は、VSEO の具体的なテクニカルな最適化手法について説明する。以下、特に断りがなければ Google を前提に説明するが、Yahoo!JAPAN でも基本的に行うべきことは同様である。

●意識して動画を最適化しているのは1割未満?
先日、米国のとあるコンサルタントが、米国で公開されている動画コンテンツのうち、検索エンジンフレンドリーな状態にしてあるのは2割もないという話を聞いた。これは私の感覚だが、日本の動画で最適化を意識した動画はたぶん1割もない。

VSEO には、(1)ディスカバリー(クローラが動画コンテンツを発見しやすくする)、(2)インデクシング(動画コンテンツを検索エンジンに登録する)、(3)ファインダビリティ(動画コンテンツが探し出せる)と3つのフェイズが存在するが、まず(1)(2)の段階さえできていないのが実情だ。ここでは1つずつ、概要を述べていく。

■フェイズ1:動画コンテンツを見つけやすくする
VSEO の最初の1歩となる。検索エンジンのクローラが、動画コンテンツの在り処を発見できなければどうしようもない。そこで、まずは場所を知らせることだ。Google は自社サイトでホストしている動画もインデックスするため、対応が必要だ。

まず自社サイトで動画をホストしている場合。Google は、RSS 2.0 に enclosure 要素を追加した mRSS(Media RSS)、または Sitemap プロトコルを使った Video Sitemap をサポートしている。

いずれも動画コンテンツの URL やタイトル、説明文、評価点数などを記述したファイルを用意して、検索エンジンに送信することでクロールを促すことができる。Web ページのサイトマップ同様に「保証」されるわけではないが、こと動画に関しては対応した方がインデックスされやすくなる。

また、通常の Web ページへの SEO 同様に、サイト構造やグローバルナビ、フッターリンクを見直して、きちんと動画コンテンツを保管するディレクトリ(ページ)へサイト内からリンクを張り、クローラの通る道を確保しておくことも大事だ。

Yahoo!JAPAN も Google も、その他一般の検索エンジンは、Ameba Vision や Dailymotion、YouTube、MySpace など一部の大手サイト上の動画は大抵はインデックスするため、これらのサイトで動画を公開している場合は特別な対策は必要ではないが、後述するように一定の外部リンクはランキングに影響するため、ページ上にエンベッドするなどしておこう。

■フェーズ2:動画コンテンツをインデックスする
これは自分のサイトで動画をホストしている場合に必要な措置だ。自社サイトで動画を公開している場合、Flash Video でページにエンベッドして、ポップアップウインドウで再生する形式のサイトが少なくない。

これはインデックスの障害になるほか、仮にインデックスされても、検索経由で訪問したユーザーは当該ページから他に移動できないなどユーザビリティ上の問題が発生するためお勧めできない。ポップアップはやめて、動画を掲載しているページにエンベッドで対応しよう。

また、1つの動画ごとに固有の URL を与えるようにする。AJAX を使っている場合はインデックスが正常に行われない、あるいは、キーワードと個々の動画との関連性を検索エンジンに伝達できないために推奨はできない。ただし、プレスリリース上で商品の優位性を伝えるために複数商品の動画を掲載するなどビジネス上の重視すべき要件があるならば、そちらを優先して構わない。

■フェーズ3:動画コンテンツを最適化する
動画共有サイトに投稿した場合と、自分のサイトに動画を掲載する場合それぞれの VSEO のポイントについて簡単にまとめる。

<動画共有サイトに投稿する場合>
YouTube などの投稿動画を見ると、タイトルや説明文すら適切に入力していない動画が圧倒的に多い。これらを適切に行うだけでも検索でのヒット率は向上する。

?タイトルは検索キーワードを含めたものにする
?説明文は、動画の概略をわかりやすく、かつ検索にヒットさせたいキーワードを含めて文章を作成する。企業のコーポレートサイトなどへのリンクも埋める
?タグを設定できる場合は、動画と関連する代表的なキーワードを設定する

<自分のサイトでホストする場合>
検索エンジンは動画の内容は分析できないので、動画を埋め込んだページそのものを最適化する。

?Web ページの SEO 同様に、title 要素やh要素、strong 要素など論理構造を表すマークアップを用いて、検索エンジンに対して何のキーワードが関連しているのかを適切に伝達する
?動画と関連するサイト内のページにリンクを張る。たとえば、ある商品についての解説動画であれば、その商品紹介ページへのリンクを張る
?繰り返しになるが、動画はポップアップではなく、ページ埋め込み
?ページ上に、動画内の要約や重要な発言についてのまとめを記述しておく

動画共有サイトの場合は、その再生回数やコメント数、一定期間における再生回数、被リンクなども評価対象となるが、Web ページの SEO のようにリンクを張ればいいわけではないので注意して欲しい。

また、Google ユニバーサル検索の場合は、対象とする検索キーワードで動画結果枠が表示されている場合に表示させる確率を高めることはできるが、その枠自体を表示させやすくすることは人為的には基本的に不可能であることにも留意して欲しい。

次回は、ニュース検索についてまとめていく。

(執筆:株式会社アイレップ 取締役 SEM 総合研究所所長 渡辺隆広)

記事提供:アイレップ

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引用元:ロハン(新生R.O.H.A.N) 専門サイト

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